4月第2週(4/6〜4/12)*印が多いほど頻出(最高3つの*)


[日本経済]

(1) 高齢者医療の割合54%−2007年度見通し(4/6) ***

 高齢者の医療費が増加し続けている。厚生労働省によると、医療費は2007年度には34兆7千億円になり、このうち65歳以上の費用の比率は54.3%になる見込みである。さらに、2025年度には69%に達すると見られる。高齢化は、急ピッチで進み医療費を増加させている。政府は、財源不足を補うため、今年度から、勤労者の場合に自己負担比率を2割から3割に引き上げている。今回の引き上げは、1割から2割に引き上げた97年9月以来のことである。厚生労働省は、自己負担が高すぎるのは保険にふさわしくないとして、さらに引き上げることはないとしている。しかし、高齢化により医療費の増大は避けられず、財源問題の再燃は不可避である。


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(2) 健保組合、84%が保険料引き上げ(4/11) **

 大企業のサラリーマンが加盟する健康保険組合の84%が、2003年度の保険料を引き上げ、昨年比で一人当たり2万3千円の負担増になることが、推計で分かった。ボーナスを含めて保険料を徴収する総報酬制の導入により、各組合が引き上げに踏み切ったと見られる。一人当たりの保険料負担(事業主負担を含む)は、39万5千円で昨年比6.2%増である。調査に回答した1442組合のうち、423組合は昨年比5万円以上の負担増となり、うち32組合は10万円以上の負担増となった。老人医療費の増加や、景気低迷による収入減により、健保組合の9割が、昨年は赤字であった。その経常収支の赤字額は、5700億円に上った。


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(3) 株価急落で相次ぐ業績下方修正(4/11) ***

 3月期期末の株価急落を受け、2003年3月期連結決算で巨額の株式評価損を計上する企業が相次いでいる。このため、本業は回復しても、税引き後利益が赤字になる企業が続出している。三菱東京、みずほ、三井住友、UFJの四大金融グループの株の2002年度末の時価総額は、約5兆6千5百億円と、1年間で6兆2千5百億円も減少し、特に銀行株を保有する企業が、巨額の評価損の経常に追い込まれた。

 巨額の評価損が、本業の回復を帳消しにする企業も多く、新日本製鉄は、経常利益が4.5倍に増えるにもかかわらず、税引き後利益は赤字になる見込みである。また、追加のリストラに追い込まれる企業も増えそうで、保有株で129億円の評価損が出た古河機械金属は、事実上の定年の切り下げによる人員削減を決めた。

 多くの企業は、銀行株の見切売りを急ぐ方針で、四大金融グループの株売却を見合わせてきた新日鉄も、資産圧縮の対象としこれからは打っていくという方針に変えた。

[保有株の評価損を被った主な企業]
株式評価損 うち銀行株    (億円)
太陽生命保険 816 500
三洋電機 765 750
損保ジャパン 689 300
日立製作所 553 200
三菱電機 500 450
日本興亜損保 454 230
松下電器産業 450 370
住友商事 430 350
新日鉄 390 340


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[知って得する用語―株式評価損]

 企業が保有する株式の時価が、購入価格である簿価を下回った場合、その差額を株式評価損として損益計算書に損失計上する。企業が持ち合いなどで長期保有する場合、株式が50%以上下落した場合、または下落率が30%以上50%未満でも企業が株価の回復の見込みがないと判断した場合には、損失計上する。売買目的で短期保有する株式は、下落幅が小さくても、株価との差額を損益計算書に反映させる。また、下落幅が小さくても、保有する株式の簿価と時価の差額は、貸借対照表の株主資本に反映させる。


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