4月第3週(4/13〜4/19)*印が多いほど頻出(最高3つの*)
(1) G7、デフレ日本に不満募る(4/13) ***
ワシントンで開催された先進七カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)や、日米財務相会談で、日本は、国内のデフレの克服に全力を尽くす姿勢を改めて強調した。イラク復興が最大の焦点のなかで、日本への手厳しい要求は控えられたが、景気回復の道筋を定められない日本への各国の不満は強まっている。
IMFは、「世界経済見通し」のなかで、インフレ目標の採用という具体策まで挙げ、日本のデフレ克服に注文をつけた。これに対して、塩川財務相は、減税措置や2003年度予算を早期に執行する方針などを説明し、各国の理解を得ようと務めた。しかし、注目度が高い分、デフレ退治への貢献が少ないと判断されれば、日本の政策当局と日本経済への失望感を募らせることになる。
(2) 2002年度企業倒産・負債額高水準(4/15) ***
信用調査期間の帝国データバンクによると、2002年度の負債1千万円以上の倒産件数は、1万8928件と、前年度比5.6%減となったが、戦後4番目の高水準であった。負債額の合計も、同17.5%の13兆3099億円で、戦後5番目となった。また、上場企業の倒産も、1件増で22件となり、過去最多となった。ゼネコンの大日本土木など東証一部だけで、11件が倒産した。帝国データバンクによると、表面上の倒産は減少しているが、破綻予備軍は増加しつづけており、今後も予断を許さない状況である。
(3) 東電、全17原発停止(4/16) **
東京電力は、福島第一原発6号機の運転を点検のため停止した。福島、新潟両県の東電原発17基すべての電力供給が止まる異例の事態となった。原子炉格納容器の気密性を調べる漏えい率検査でデータ偽装工作などが発覚し、両県の原発を段階的に停止し点検している。夏場のピークには、原発10基程度の電力(約950万キロワット)が不足するとみられるが、老朽化した火力発電所の運転を再開しており、当面の電力供給に支障はないと見られる。一方、東電の柏崎刈羽原発6号機は、異常なしという漏えい率の検査結果が出、経済産業省の安全宣言が出されれば、今月末にも運転が再開される見通しである。
(4) 家計にズシリー医療費負担増、介護保険料増など(4/16) **
第一生命経済研究所は、健康保険法改正など2003年度からの制度改正が家計に与える負担増などが、国全体で年2兆円に達し、GDPの実質成長率を0.26%引下げるとの試算をまとめた。これによると、サラリーマン本人の医療費負担の引き上げ、保険料率引き上げなどで家計の可処分所得が、総額1兆1550億円減る。また、年金の物価スライド制の復活により、デフレのため支給額が減らされ、介護保険料引き上げで計4600億円の影響が出る。タバコ税、酒税見直しも、それぞれ約2千億円の出費増である。
(5) 特区第一次57件認定(4/18) ***
地域限定で規制緩和する構造改革特区の第一次認定分57件が決定され、小泉首相の目玉の特区構想が実行段階に入った。
八王子に今回認められた特区の新設校は、不登校児童・生徒向け小中一貫教育校で、学年の枠を払う大胆な習熟度別授業が可能になる。ここでは、現行ではできない、中学校での小学校レベルの授業が可能になる。
群馬県太田市では、国語以外の全科目を英語で行う私立の小中高「大田国際アカデミー」の構想が今回認められた。市企画部によると、日本の英語教育は、会話の力がつちかないという素朴な疑問から出た構想である。
淡路島の洲本市では、阪神大震災後に整備された光ファイバー網を、民間企業に格安で貸し出す特区が認められた。光ファイバー網を有効活用し、ベンチャー企業などの誘致を狙う戦略である。
以上の特区により、規制社会に風穴を開け、地域の活性化や教育・福祉の充実につなげられることが期待される。