2月第2週(2/2〜2/8)*印が多いほど頻出(最高3つの*)


[日本経済]

(1) 賃金昨年平均2.3%減と最大の減少(2/3) ***

 厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、2002年平均の月間現金給与総額は、34万3688円と前年比2.3%減(実質1.2%減)となり、調査開始以来最大の減少となった。デフレによる企業のコスト削減により、賃金低下に歯止めがかからず、個人の所得環境が急速に悪化しているといえる。内訳をみると、所定内給与が1.2%減と過去最大の減少率であり、パート社員が増えたのが主な要因である。所定外給与は、年前半の生産回復による残業時間の増大で0.8%減に留まったが、ボーナスなどの特別給与は7.2%減と最大の落ち込みとなった。

 また、パートを含めた2002年の常用雇用の労働者の一人当たり年間実労働時間(平均)は、1825時間と前年比11時間減であった。


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(2)日銀の資金供給伸び鈍化(2/4) **

 金融緩和の目安となる日銀の金融市場への資金供給残高は、伸びが大幅に鈍ってきた。1月の平均残高は、95兆3668億円で前年同月比13.4%増加したが、2001年8月以来の低い伸びとなった。2001年12月から市場への供給量を拡大した反動で、残高は伸び悩んでいる。デフレ克服のため、政府・与党から追加緩和を求める声が強く、資金供給の伸びの鈍化が明らかになったことで、日銀は対応を迫られそうである。


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(3)国民負担率36.1%(2/7) **

 財務省によると、2003年度の国民所得に占める税金や社会保険料の負担割合が、前年度比0.6%低下して、36.1%になるとの試算である。総額1兆8千億円の先行減税などの影響で、租税負担が低下するのが主因である。内訳をみると、租税負担率が、減税や景気低迷により20.9%と前年度比0.8%低下し、先進国中で最低水準となる。一方、少子高齢化のどの影響で、現役世代の負担が増し、医療、介護、年金などの社会保障負担率は15.2%と前年度比0.2%増と3年連続増加となった。

 また、国民が将来負担せざるをえない来年度の財政赤字を含めた潜在的な国民負担率は、47.1%で、0.1%低下するが、かなりの高水準である。


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[世界経済]

(1) NY原油続伸35ドル台に(2/8) **

 7日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場で、期近の三月物は前日比0.96ドル高の1バレル35.12ドルで取引を終え、2000年11月以来の高値となった。ブッシュ大統領が、国連安保理にイラクの早期武装解除を強く呼びかけたことが、買い材料となった。ロンドン市場の原油先物の三月物も0.90ドル高の32.34ドルと2年ぶりの高値となった。


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[知って得する数字―法人企業統計の設備投資(前年比)]

99年度 −8.8%
2000年度 8.6%
2001年度 −6.2%
2002年
1〜3月期 −16.8%
4〜6月期 −15.5%
7〜9月期 −13.9%

[寸評]2002年から景気回復と言われているが、外需頼みの景気回復であるため、力強さはなく、企業の設備投資も前年比マイナスの伸びが続いている。


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