2月第5週(2/23〜3/1)*印が多いほど頻出(最高3つの*)
(1) 日銀総裁、福井氏に内定―政府と一体で政策推進を(2/25) **
日本銀行の総裁に内定した福井俊彦富士通総研理事長には、長引くデフレ不況からの脱却や金融システムの安定化など、多くの課題が待ち構えている。
第一に、2001年3月から、短期金利から変更された調節目標である量的緩和政策が、企業の資金需要低迷や金融機関の貸し渋りなどにより、マネーサプライの伸びにつながらないことである。そのため、一定の物価上昇率を金融政策の目標にする「インフレ目標」の設定や上場投資信託(ETF)の日銀買い入れなど、非伝統的政策が必要となっている。第二に、金融システムの安定化のため、日銀による銀行保有株の買い入れ目標を、現行の2兆円より増やすことが求められる。これは、株価下支えの効果も期待できる。第三に、政府・与党の反対を押し切り実施した2000年8月のゼロ金利解除は、景気の腰折れを招く結果となり、その7ヵ月後に再びゼロ金利に戻す問題があった。この反省として、政府と一体になった政策運営が求められる。
(2) 日銀の速水総裁「ゼロ金利解除」誤りでしたー最後の講演で(2/26) ***
日本銀行の速水総裁は、総裁として最後の講演を行い、「需要を刺激し経済を持ち上げる効果は、残念ながら限定的であった」と力不足を認めた。2000年8月に政府の反対を押し切り、ゼロ金利政策を解除して、金利の誘導水準を引き上げた理由については、「IT製品の在庫が過剰であったのが分からなかった」と、判断の誤りを認めた。このほか、景気回復のための円安誘導に関しては、「円売り、国売りが始まったといわれ、国債価格が急落しかねない」とし、日銀の市場介入の効果も、「市場は一時的に動いても、すぐ戻る」と、無駄になるとした。
(1) 郵便事業参入しませんかー総務省説明会(2/26) *
4月からの日本郵政公社発足と同時に、郵便事業への民間事業者の参入が解禁されるのに合わせ、総務省は第一回説明会を名古屋で開いた。予想を大きく上回る約80社が参加した。全国では約400社が参加を予定しているといい、郵便事業への民間業者の関心が水面下では高いことを示している。
全国で事業を営む「一般信書便事業」では、宅配最大手のヤマト運輸が参入を見送り、民間事業者の参入の出足は鈍い。バイク便事業者の特定信書便事業への参入に留まっている。そのため、総務省は、参入条件を定めた新書便法の内容や申請手続きなどを詳しく説明し、参入を促すために説明会を開いた。参入希望者には、審査を迅速にし、速ければ夏前にバイク便事業者の参入を実現させたいとしている。
(1) CO2排出権買い取り基金創設(2/28) **
経済産業省は、温暖化防止のための二酸化炭素(CO2)削減事業に海外で取り組む日本企業に対し、資金を提供する「京都メカニズム対応ファンド」を年内にも創設する方針を固めた。このファンドは、電力会社などが途上国の火力発電所を改修してCO2排出量を少なくして取得するCO2排出権の一部を買い取る形で資金提供するのが特徴である。同ファンドは、数十億円規模で、日本政策投資銀行のほか、民間から出資を募る。出資者は、出資比率に応じファンドが取得した排出権を分配され、自社分に課されるCO2削減義務量の達成分に組み入れたり、他社に売却できる。
京都議定書は、2008〜2012年の間に、CO2などの温室効果ガスを1990年比で平均6%削減することを義務付けている。日本は、自国だけで削減義務を達成するのは難しいため、このうち、1.6%分は海外での削減事業を通じて取得する方針である。