1月第2週(1/5〜1/11)*印が多いほど頻出(最高3つの*)


[日本経済]

(1)日銀政策委員会とは? **

 日本銀行は、物価の安定や金融システムの安定のために、お金の量や金利を調整している。これは、金融政策であり、政策委員会は、金融政策を最終的に決定する日銀の最高決定機関である。メンバーは、総裁と副総裁二人のほか、有識者の民間出身の審議委員の計9人で構成されている。原則1ヶ月に2回の会合で、公定歩合や銀行間で日々取引する金利(コールレート)の水準について話し合う。

 98年4月施行の新日銀法で、政府から独立して政策を決定できるようになり、政府が日銀役員を解任したり、業務について命令したりする権限もなくした。政府は、国民からの支持を得るために、中央銀行に必要以上にお金の発行量を増やすように要求しがちである。これでは、インフレに歯止めがかからなくなる懸念がある。そのため、政府からの独立性が重要なのである。例えば、80年代後半に日銀が政府の意向を受け低金利を長く続けた結果、資産価格が急騰するバブルが生じたとの指摘がある。

 現在、日本経済の最大の課題は、デフレをいかに克服するかである。政策委員会は、デフレ対策として、いかに世の中に出回るお金の量が増やせるかについて話し合っている。いわゆる量的緩和と呼ばれる政策で、日銀が銀行から債券などを買い取って、お金を増やす対策である。


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(2)大手銀行、株5兆円売却へ(1/5)***

 大手銀行各行は、来年3月までに、保有株式の約4分の1に当たる約5兆円を売却する。これは、7大銀行グループの保有株式の中核的自己資本の合計の超過分である。政府は、銀行等株式保有制限法で2004年9月末までに銀行の保有株式を資本金など中核的自己資本の範囲内に抑えるように義務付けている。大手銀行は、半年から1年前倒しでこの基準を達成する。株式市場の不透明感のなかで、保有株式を減らし、株価変動の経営への影響を小さくするのが狙いである。また、株式売却で資産を減らし、自己資本比率を高める狙いもある。これまでは、貸出を減らし資産を減らしてきたが、限界があるため、株式売却も進めることにした。


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(3) 上場企業倒産29件(1/7) ***

 帝国データバンクによると、上場企業の倒産が昨年は29件にのぼり、戦後最悪となった。これまでの最悪は、97年と2001年の14件で、2倍以上となった。上場企業倒産の負債総額も、1兆9432億円と戦後4番目の高水準であった。販売不振などが原因の不況型倒産が75.9%を占めている。金融庁の特別検査が今後始まると、銀行の企業選別が一段と進むと見られ、数年は上場企業の倒産が高水準で続く可能性がある。


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(4)長期金利0.845%(1/9) **

 債券市場は、株価低迷などにより、長期国債が買われ、10年もの国債の利回りが2日続けて0.900%を下回り、0.845%まで急落した(債券価格は上昇)。98年11月以来の低水準となった。企業の資金需要の低迷や株価下落を背景に、金融機関が国債以外の資金運用先を探しあぐねているためである。円高・ドル安やイラク情勢により、外人投資家も、円建ての円債にドル資産を振り向け始めた。


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[世界経済]

(1) アメリカ失業率、昨年5.8%(1/10) ***

 アメリカ労働省の昨年12月の雇用統計によると、アメリカの失業率は、前月と変わらず6.0%と高水準であった。景気を敏感に反映するとされる非農業部門の就業者数も、前月比10万1千人減と大幅なマイナスとなった。また、2002年年間の平均失業率は、5.8%で前年比1.0%上昇となり、8年ぶりの高水準となった。景気の先行き懸念が消えない中、アメリカ企業が雇用調整の動きを強めていることが分かる。


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[規制緩和]

(1) 都市ガス小売り自由化、2007年に50%超決定(1/10) **

 経済産業相の諮問機関である総合資源エネルギー調査会は、自由化範囲を2007年までに販売量全体の50%超に広げることを正式に決めた。これにより、今月の通常国会に経済産業省はガス事業法改正案を提出する。現在、大型工場など大口顧客に限られている自由化対象を、2004年に大規模病院などの年間使用量50万立方メートル以上の顧客向けに広げ、2007年からホテルや大学など同10万立方メートル以上に拡大する。家庭向けは、慎重論が多く見送られた。


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[知って得する数字―最近の雇用情勢]

99年度 00年度 01年度 02年10月
現金給与総額(前年比%) −0.8 0.5 −1.8 −0.5
所定外労働時間(前年比%) 1.0 3.6 −5.5 4.7
有効求人倍率 0.49 0.62 0.56 0.56
完全失業率(%) 4.7 4.7 5.2 5.5

[寸評] 現金給与総額が伸びないことが、消費の低迷につながっている。有効求人倍率は、1倍を大きく下回っており、完全失業率の高水準につながっている。所定外労働時間は、景気の変動を反映し、変化している。99年度、00年度そして02年度の景気拡大により、プラスの伸びとなっている。


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