1月第3週(1/12〜1/18)*印が多いほど頻出(最高3つの*)
(1) 月例経済報告、3ヶ月連続下方修正(1/17) ***
1月の政府の月例経済報告によると、政府の景気認識を示す基調判断は、「一部に持ち直しの動きが見られるものの、このところ弱含んでいる」とし、「おおむね横ばい」とした12月の表現から、下方修正した。基調判断の下方修正は、3ヶ月連続である。イラク攻撃の可能性による世界経済の先行き懸念や日本の株価の低迷などにより、日本の最終需要が引き続き下押しされる懸念が存在しているとしている。
(2) 不良債権買い取り、RCC1年延長(1/15) **
金融庁によると、整理回収機構(RCC)による健全銀行からの不良債権買い取り期間を1年延長し、2005年3月末までとする方針を固めた。不良債権を買い取り産業再生を図る産業再生機構が、今春の発足後2年間を不良債権の買取期間とするため、足並みをそろえる。今月開会する通常国会に、金融再生法の改正案を提出し、2004年度中の不良債権問題の終結を目指す。公的支援に頼る不良債権処理の批判もあり、健全行からの買い取りは、2004年3月末までとしていたが、2001年3月末から3年間延長されたのに次ぎ、2度目の延長となる。
(1) アメリカへの資金流入減少止まらず(1/12) **
海外からアメリカへの資金流入の減少が止まらない。ヨーロッパを中心に、対米リスクを嫌い自国に資金を留める傾向が強く、世界の対米直接投資は、2002年に前年比3分の1以下に落ち込んだと見られる(2000年は3000億ドル強、2001年は590億ドル)。証券投資も、昨年は2001年を下回ったようである。
ここにきて、イラク情勢が緊迫化して、当事国のアメリカへの投資に対するリスクが増加し、対米投資に動きにくい状況となっている。
(2)OPEC、生産枠150万バレル拡大で決着(1/13) **
石油輸出国機構(OPEC)は、現行の生産枠の日量2300万バレル(イラクを除く11カ国)を150万バレル拡大して、2450万バレルにすると発表した。イラク情勢の緊迫化なども考慮して、最終的に生産枠拡大で決着した。日本の石油関係者は、「原油価格はOPECの意図するバレル当たり22〜28ドルの範囲で推移すると思われ、評価したい」と歓迎している。
(1) 都市ガス小売り自由化、2007年に50%超決定(1/10) **
政府は、温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出量を削減する事業でロシアを支援する見返りに、削減量を日本の達成値として計算するCO2排出量取引の実施に向け、週明けにロシアと公式協議に入る。ロシアが、年内にも京都議定書を批准するのを待って正式に合意したい考えである。取引では、経産省の外郭団体である新エネルギー・産業技術開発機構が、ロシアの石炭火力発電所をCO2排出量が少ない天然ガス火力発電所に改修する方針である。CO2削減量の全量を、日本側が取得する方針で調整する。
財やサービスを購入するときに、消費者がスーパーなどを通じて国に収める間接税である。現在の消費税率の5%のうち、1%分は地方消費税として地方の財源に回されている。消費税1%分の税収は、約2兆5千億円である。安定した税収のため。税率の引き上げ論議が活発である。海外では、消費税に当たる付加価値税率は、昨年1月現在で、フランス19.6%、イギリス17.5%、ドイツ16%などとなっている。
2000年 2001年 2002年7〜9月期(前期比) 実質GDP成長率 ユーロ圏 3.4 1.5 1.3 イギリス 3.0 2.0 3.8 失業率 ユーロ圏 8.8 8.3 8.3 イギリス 3.6 3.2 3.1(9月)
[寸評]ユーロ圏の成長が停滞しているのに対し、イギリスの堅調な成長が目立つ。失業率は、ユーロ圏も10%を割ってきているが、イギリスの低水準とは比べるべくもない。なお、イギリスは、統合通貨ユーロにはまだ参加していない。