1月第4週(1/19〜1/25)*印が多いほど頻出(最高3つの*)
(1) デフレの定義(1/19) **
デフレとは、デフレーションの略で、経済学では物価が持続的に下がることをいう。企業が作るモノの量(供給量)が、消費者が欲しい量(需要量)より多いと、価格が下がる。経済全体で、このようなモノが増えれば、物価が下がる。デフレは、我が国では物価下落を伴う景気低迷という意味で使用されてきた。90年代に、バブル崩壊により株や土地の価格下落と景気低迷を合わせて、資産デフレと呼んだのである。日本は、99年以降物価の下落が続き、デフレに突入したと言われた。しかし、当時景気は緩やかながら拡大していた。このため、政府は、2001年3月に「デフレを景気動向にかかわらず持続的な物価下落」と経済学と同じ定義をし、「日本経済は緩やかなデフレにある」と認定した。しかし、この頃景気後退局面に既に入っており、金融機関の不良債権処理策とともに雇用・中小企業対策をデフレ対策としてまとめた。不良債権処理策で倒産が増加して失業者が増え、景気に悪影響を及ぼすことを防ぐためであった。このデフレ対策の「デフレ」は、景気低迷も含んでいる。物価下落という本来の定義を生かすならば、意味を加えるのは避けるべきである。
(2) 大手行を来月特別検査(1/21) ***
金融庁は、大手銀行12行を対象とした特別検査を2〜3月にかけ実施する方針である。不良債権処理の加速策である金融再生プログラムに基づき、11人の「再建計画検証チーム」を新設し、大口融資先企業の再建計画の可否にまで踏み込み、厳格に検証するのが特徴である。検査結果は、4月に通知する予定で、この検査を産業再生につなげたい意向である。
昨年の検査では、71社、7兆5千億円分の債権について、債務者区分が下方修正された。今年は、問題企業の再建計画が検証されることで、業界の再編や企業整理が加速する可能性も出てきた。
(3) みずほ1000社に出資要請(1/25) **
年度内に、1兆円規模の増資を計画しているみずほフィナンシャルグループが、大株主の第一生命保険や安田生命保険、朝日生命保険などをはじめとして、内外の機関投資家、取引先の中小企業などを含め千社以上に出資要請していることが分かった。しかし、企業側からは、約2兆円という空前の赤字で、巨額の資本調達が必要になったのであるから、経営者責任を取ることが必要ではないかという厳しい指摘もある。
(1) EU、独仏に財政赤字是正勧告(1/20) ***
欧州連合(EU)財務省理事会は、ユーロの安定を確保するための財政基準を、ドイツが破りフランスが破りつつあるとして、フランスを除く14ヶ国の賛成で、両国に是正勧告を行った。勧告は、昨年のポルトガルに続くものである。財政基準は、参加国の財政赤字が、GDP比で3%を超えた場合、財務省理事会が是正策を指示し、是正策に従わない場合は、GDP比で最大0.5%の罰金を科す内容である。
ドイツは、昨年の財政赤字が同比で3.7%を記録し、シュレーダー政権は勧告を受け入れる方針を示し、既に増税と超緊縮財政を打ち出した。また、フランスは、昨年の財政赤字が同比2.8%であった。財務省理事会は、今年から年0.5%の赤字削減をフランスに示した。しかし、同国のシラク政権は、大型減税を約束する一方で、国防費増額も打ち出しており、財政基準適用には反発している。
財政基準が、財政発動を含め、独自の経済政策の執行を摘み取っている現状には、不満が募っている側面もある。
(1) 郵便参入促進へ事業者向け説明会(1/21) **
総務省は、4月の日本郵政公社発足と同時に郵便事業への民間参入が解禁されるのに合わせ、事業者向けの説明会を開催する方針を明らかにした。宅配最大手のヤマト運輸が参入を見送り、参入の動きが鈍いため、参入条件などを定めた信書便法の解釈や申請方法を詳しく説明し、参入を促進したい考えである。信書便法は、全国参入型以外に、ア.3時間以内に配達する イ.一通千円を超える郵便 などの地域限定サービスの「特定信書便事業」への参入も認めており、バイク便最大手のソクハイなど3〜4社が、大都市圏で参入する方針である。
競争を促すため、民間が申請を出した場合、速やかに許可を出す方針である。
米のイラク攻撃の可能性が高まり、原油価格が高騰している。日本の原油の中東依存度は突出している。各国の中東依存度は、次のとおりである。
日本 86.1% アメリカ 25.8% イギリス 5.2%
日本の石油備蓄は、160日分以上あり、すぐには石油不足などの事態にはつながらないといわれる。しかし、戦争により中東からの輸入が止まれば、深刻な影響が出ると見られる。