3月第3週(3/9〜3/15)*印が多いほど頻出(最高3つの*)


[日本経済]

(1) 政府・与党、包括経済対策策定へ(3/11) ***

 政府・与党は、イラク情勢の緊迫化で、日経平均株価が20年ぶりに8000円割れとなるなど、デフレ不況が深刻化しているため、包括的な経済対策の検討に着手した。第一に、イラク攻撃に予想される金融市場の混乱に対応するため、日銀に潤沢な資金供給を要請する。日銀も、買いオペなどにより一層の潤沢な資金供給を行うと見られる。第二に、2003年度予算の執行を年度前半に集中させる「前倒し執行」により、景気の下支えを検討する。ただ、与党内には、今国会後半に2003年度予算の補正編成に踏み切るべきであるとの意見も根強い。


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(2) 小泉政権、政策手詰まり−市場に不安感(3/12) ***

 日経平均株価は、11日も下落し7900円台を割り込んだ。「デフレ退治より、構造改革を優先する」との首相発言は、危機意識は薄い。政策の手詰まり感は強く、金融危機再燃が懸念される。

 この数日首相が発した言葉は、3つに大別される。「金融危機は起こさせない」、「政府・日銀一体で取り組む」、「あらゆる政策を動員する」である。しかし、市場関係者は、どうやって危機をおこさせないのか、何を取り組むのか、という疑問があり、これに首相は一向に答えようとしない。首相は、大型補正予算などの財政出動には否定的である。また、政策の余地がある金融政策も、日銀任せである。

 歴代政権の経済政策を評価する最も分かりやすい尺度は、株価である。財政再建路線を採った小泉政権下では、現在までに45%以上も下落し、20年ぶりの低水準となった。そして、デフレが進行し、完全失業率も上昇し1月に過去最高の5.5%に並んでいる。景気悪化で税収が大幅に落ち込み、かたくなな緊縮的財政政策で財政を行き詰まらせ、「30兆枠」の首相自らの公約も放棄せざるを得ない結果となった。


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[世界経済]

(1) パソコン需要回復鈍く(3/14) **

 イラク情勢や景気の先行きの不透明感により、パソコンの需要回復が鈍くなっている。米ハイテク調査会社は、今年の世界出荷台数の前年比伸び率予測を、従来の8.3%から6.9%に下方修正した。最新予測によると、今年の世界出荷台数は1億4560万台である。世界的に、企業が情報技術(IT)投資を絞り込んでいる。また、値崩れも鮮明で、今年の出荷金額は1.8%減の見通しである。


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[規制緩和]

(1) 特区1号争奪合戦(3/9) **

 構造改革特区の第一号認定のための準備が大詰めである。4月1日からの正式申請を前に、今月10日には申請を希望する地方自治体への事前調査が始まる。4月の統一地方選を前に、特区実現を公約にする主張も出て、動きは加熱している。鴻池特区相も、「4月半ばまでに第一号を出す。5月では値打ちがなくなる。地方の熱意には早くこたえないといけない」と述べている。

 政府が第一号認定にあたり、重視しているのは経済効果の即効性である。特区を重要な経済対策の柱と位置付ける以上、特区が誕生しても企業が一向に参入してこないのでは、今後の継続が困難になる懸念があるからである。一番乗りに強い意欲を示すのは、北九州市である。1月に特区導入を公約に掲げた市長が当選し、アジアに近い立地を売り物に、国際物流特区の実現を目指す。このほか、長野県では、非営利法人などが、障害者などをタクシーのように運ぶ有償ボランティアを行えるようにする福祉特区の実現を目指す。


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