日本中国友好協会代表団と の共同声明
中国日本友好協会代表団と


 日本中国友好協会代表団は,中華人民共和国成立17周年の国慶節を心から祝賀するため,プロレタリア文化大革命の高潮のさなかに中国を訪れた。 日中両国人民間の友好・文流をより一層発展させるために,日本中国友好協会代表団は中国日本友好協会代表団と会談をおこなった。

 双方は一致して,日本各界知名人32氏の声明と中国各界人士および人民団体責任者52氏の声明を全面的に支持し,このふたつの声明の基礎のうえに当面の国際情勢を詳細に検討した。

 アメリカ帝国主義はいぜんとして中国を主要な目標とする侵略と戦争の政策をとりつづけ,世界各国人民の安全と平和を破壊し とりわけアジア,アフリカ,ラテンアメリカ各国の主権と独立をおびやかし,侵犯しているが,まさにそのために,彼らはますます全世界人民によって非難され,包囲される立場に落ちこんでいる。いまアメリカ帝団主義に反対するたたかいの焦点はべトナムにある。英雄的なべトナム人民の断平たる抗米救国のたたかいは,敵に思つく暇もない打撃をあたえ,アメリカ帝国主義を日一日と窮地に追いこんでいる。しかし,アメリカ帝国主義は侵略戦争の焔をインドシナ全土と中国に拡大しようとたくらみながら,一方では欺瞞的な「平和交渉」をもてあそんでいる。べトナム人民,日中両国人民と全世界の人民はこのような陰謀の成功を絶対に許すものではない。

 中国人民はいかなる民族的犠牲をはらうこともいとわず,べトナム人民が抗米救国闘争を最後までやりぬくのを断乎支持する決意を固めている。日本においても,べトナム人民支援の運動が全国にまき起っている。べトナム人民のたたかいは,たんにべトナム人民の独立のためのたたかいであるばかりでなく,それはアメリカ帝国主義の侵略と戦争の政策に反対する日中両国人民および全世界人民の共同のたたかいである。双方は,べトナム人民の正義の戦争は必らず勝利し,アメリカ帝国主義の不正義の戦争は必らず敗北するとの確信を表明した。

 同時に,日本の佐藤政府がアメリカのべトナム侵略戦争に加担してとっている数かずの行動をつよく非難し,日本軍国主義の復活に断平たる反対を表明した。 このようを情勢のもとにおいて,双方はあらためて世界地図上における日中両国の位置をみなおし,2千年にわたる経済,文化の交流の歴史をいま一度ふりかえり,またかっての日本軍国主義がアジア人民にたいして犯した許すべからざる非行を憤りをもって想起し,両国人民の安全とアジアの平和は大きく日中両国関係の如何にかかっているのであるから,こんご両国人民の友好関係は子子孫孫にいたるまで守らねばならず,とくに今日の情勢において,日中友好運動の発展と,共通の敵アメリカ帝国主義およびその手先にたいする共同のたたかいは,これまでになく重要になってきたことを確認した。

 中国の文化大革命と紅衛兵の革命行動は,アメリカ帝国主義とさまざまな反動派にたいする最も手痛い打撃であり,中国はソ連の指導グループを中心とする現代修正主義のように堕落することが絶対にありえないことを保障した。日本中国友好協会代表団の各員は,滞在期間中かくべつの関心をもって,紅衛兵との座談会その他あらゆる機会を通じてこの真実の把握につとめた。その結果として,日本中国友好協会代表団は,中国の文化大革命は,中国人民が革命の正しい進路を保障するため,長期,わたる革命途上避けることのできない重要な一過程であり,すでに明瞭な成果をあげつつあること,ついて深い理解を表明した。

 双方は,日中友好・交流は一貫して両国人民の共通の願望と利益に基いて,相互尊重,平等互恵,相互支援の立場からおこなってきたし,また今後もおこなってゆくものであり,日中友好・交流に対するさまざまの中傷と誹謗は一切根拠がなく,日本の日中友好運動を内部から破壊しようとするにすぎないものであることを一致して指摘した。 双方は日中両国人民間のあらゆる分野における交流は,相互理解を深め,友好と団結を強めるために必展なものであり,同時にまた相互理解の深さりと友好と団結の強化は,各分野での次のあらたな発展を促す力となるものであることを認め,こんどますます各分野の文流を拡大発展させる必要を強調した。以上の観点から,日本側はあらゆる妨害を排除し,第二回日中青年友好大交流に参加する日本青年の中国訪問の実現のために努カし,中国側は第二回日中青年友好大交流に参加する日本青年がいかなる時期に中国を訪問してもこれを歓迎すると表朋した。

 双方は文化、学術,その他あらゆる分野での交流と,一般旅行団を含む人の往来をなお一層拡大発展させること,日中友好を基礎に,政治三原則(@中国敵視政策をとらないこと,A「ふたつの中国」の陰謀に加担しないこと,B日中両国の国交正常化を妨げないこと),貿易三原則(政府協定,民間契約,個別的配慮)と政経不可分の原則に従って,日中貿易をさらに一層発展させるために責任をもって努力すること,現在佐藤政府の中国敵視政策によって妨げられている日中両国双方の居留民の祖国往来の自由の実現のために努力することを一致して確認した。

 双方は,いま日本国内外において,さまざまな勢力が日中友好運動に対して,陰に陽に妨害を加えている現状の下で,日本各界知名人32氏の声明と中国各界人士および人民団体責任者52氏の声明の発表は,重大な意義をもつものであるをとを認め,日中両国人民は力をあわせ,万難を排除し,日中友好運動をいっそう広範な分野に展開し,大きく前進させるべきであると強調した。

 1966年10月12日
    日本中国友好協会代表団
      黒田寿男 宮崎世民 大森真一郎 三好 一 足立梅市 今井長二郎
      野村芳郎 松本 勲 樺山秀一 橋本信一
    中国日本友好協会代表団
      廖承志  趙安博  康永和  沈玄九  楊 U  彭 炎
      王暁雲  張聯華  郭労為  李文耀

[先頭][Home][前へ][目次][次へ]