11月第5週(11/23〜11/29)*印が多いほど頻出(最高3つの*)


[日本経済]

(1)大手銀行5グループ大幅増益(11/26)***

 大手銀行7グループの9月中間連結決算は、みずほフィナンシャルグループの税引き後利益が前年同期比6.5倍となるなど、りそなホールディングスと三井トラスト・ホールディングスを除く5グループが大幅増益となった。景気の回復基調を背景に、取引先企業の経営改善などで、不良債権処理損失が見込みを大幅に下回ったほか、東京都の外形標準課税条例をめぐる訴訟が和解し、都からの返還金が合計で1,936億円に達したことなどが原因である。大手銀行7グループの不良債権残高も、今年3月末比で2兆8,190億円減少し、18兆179億円となった。自己資本比率も、5グループが10%を上回り、財務体質の改善が進んでいる。

[大手銀行グループの自己資本比率(%)]
2003年9月 2003年3月末
みずほ 10.63 9.53
三井住友 10.94 10.10
三菱東京 12.44 10.84
UFJ 11.36 9.96
りそな 6.27 3.78
住友信託 12.10 10.48
三井トラスト 9.33 7.50

不良債権自己資本比率については、「重要30用語」参照)


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(2)10月の消費者物価上昇率5年半ぶりプラス(11/29) ***

 10月の全国の消費者物価指数(2000年=100)は、価格変動の大きい生鮮食品を除いた総合指数で98.3と、前年同月比0.1%上昇し、5年6ヶ月ぶりに前年同月比を上回った。天候不順によるコメの価格上昇など、特殊要因が影響し、今回の上昇は一時的との見方が強い。日本銀行も、同様の認識を示しており、デフレから脱却を図るため、潤沢な資金を供給する量的緩和を堅持する方針である。

 4月からのサラリーマンの医療費自己負担の引き上げ、7月からのタバコ税の増税、も含めた特殊要因による押し上げ分は、10月は0.3%を超えている。総合的な物価動向を示すGDPデフレーターは、7〜9月期に前年同期比2.7%下落している。このため、緩やかなデフレが続いているとの見方が強い。


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[世界経済]

(1)独仏、EU財政安定協定に3年続きで違反(11/28) ***

  「安定協定」は、ユーロ圏12カ国の各国の財政赤字を対GDP比3%以内に抑えるというものである。景気回復を優先する独仏両国は、2004年まで3年連続でこの協定に違反するのは確実となったため、EUは24日,25日の財務相理事会で両国に対する制裁手続きについて協議した。しかし、独仏二大国の結束とイタリアなどのドイツ支持で、両国は当面、制裁も予算削減も免れることになった。この結末に、欧州中央銀行は、「深く憂慮する」と、異例の声明を出した。   「安定協定」は、96年12月のEU首脳会議で、ドイツが強力な自国通貨マルクを放棄する代償として、他の加盟国の反対を抑え、強引に合意させた経緯がある。   緊縮策をとれないドイツは、石炭産業に莫大な補助金が支給され、失業を常態化させるような手厚い失業手当が支給されている。シュレーダー政権は、こうした無駄を削り、構造改革を目指しているが、労組や野党の反対で改革は進んでいない。ドイツの混迷は、EUに暗い影を落としている。


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