9月第3週(9/14〜9/20)*印が多いほど頻出(最高3つの*)


[日本経済]

(1)外国人買い衰えずー株一時1万1000円台(9/18) ***

 日経平均株価が、17日1年2ヶ月ぶりに一時1万1000円台を回復し、今回の株価上昇は長く続く本物との期待が高まっている。日米で景気回復を示す経済指標が出ているため、外国人投資家の買い意欲が一段と強まっているためである。

 4月末以来、40%以上も上昇し過熱感が高まっている株式市場は、調整が避けられないといわれながらも、9月に入り騰勢を強めている。17日の東京市場も、前日のニューヨーク市場の上昇により、外国人投資家の買いが入り、1万1000円台の原動力となった。外国人投資家の目には、産業再生機構による不良債権処理や産業再生が動き始めたことや、りそなへの資本注入により、金融システム不安が後退したとの見方がある。また、企業収益の回復への期待も大きい。

 しかし、今後アメリカ景気の回復が進まなかったり、円高・ドル安が一層進んだりして、海外資金が逃げると、株価の推進力が失いかねない。


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(2)10行利益下方修正―新経営健全化計画(9/20) **

 公的資本注入を受け、金融庁から収益向上を求める業務改善命令を受けた15銀行・金融グループの経営健全化計画が公表された。15行のうち10行が、2004年3月期の税引き後利益を5月の時点の業績予想から下方修正した。金融庁は、四半期ごとに計画の進捗状況を点検し、来年3月期も大幅な未達となれば、経営責任を含め厳しく追及する方針である。また、大手5行は、4年間で140店舗、約1万2千人の人員削減によるリストラなどで、計画3年目から業績が急回復する予定としているが、景気動向次第で予断は許さない。


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[世界経済]

(1)WTO閣僚会議決裂―交渉方式に限界(9/17)***

 メキシコのカンクンで開催されていた世界貿易機関(WTO)の閣僚会合は、先進国と途上国の対立が解消しないまま決裂した。99年のシアトルの会合に続く失敗は、2004年末を合意期限とする新ラウンドの成立を困難にするだけでなく、WTOの存在意義を揺るがしかねない。特定の国・地域の間で締結する自由貿易協定(FTA)が活発な中で、WTOは大きな曲がり角を迎えている。

 新ラウンドは、交渉期間を3年と、過去のラウンドの半分以下に設定した。しかし、参加国・地域が最初のケネディ・ラウンドの47から146に増え、途上国は全体の3分の2以上になった。先進国と途上国の対立にとどまらず、先進国同士や途上国同士の利害が複雑に絡む現状では、短期間で全会一致の合意が得られるはずがないとの見方が支配的になっている。

 新ラウンドによる多国間の自由貿易体制が停滞している一方で、FTA締結が加速している。北米自由貿易協定(NAFTA)の成功の90年代後半以降、百近くのFTAが締結された。

 (WTOFTANAFTAは、いずれも週刊トピック「経済事情―重要30用語」を参照)


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[知って得する数字―財政赤字を含む国民負担率]

社会保障負担率 租税負担率 財政赤字 国民負担率
日本(2003年度) 15.2% 20.9% 11.0% 47.1%
アメリカ(97年度) 9.8% 26.2% 1.1% 37.0%
イギリス(2000年度) 9.8% 41.4% 0% 51.2%
ドイツ(2000年度) 25.3% 31.2% 0% 56.5%
フランス(2000年度) 25.0% 39.8% 1.8% 66.7%
(いずれの値も、対国民所得比)
 [寸評]日本の国民負担率は、ヨーロッパ先進国に比べ低水準であるが、今後急速な高齢化社会へと移行するため、日本の国民負担率の上昇は不可避である。


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