2月第2週(2/8〜2/14)*印が多いほど頻出(最高3つの*)


[日本経済]

(1)新生銀行上場、公的資金の過半は損失(2/10) **

 破綻した旧日本長期信用銀行の再生のために政府が投入した公的資金は、約7兆8千億円に達するが、過半は損失となり、最終的な国民負担は5兆円規模に膨らむ見通しである。

 政府は、新生銀行への旧長銀の譲渡時に、債務超過分の穴埋めと損失補てんで約3兆6千億円を投入したが、ほぼ全額が損失となる。資産や保有株式などの買い取りで拠出した約3兆円も、1兆円規模の損失や含み損が出る可能性もある。そして、政府は、譲渡時に、価値が2割以上低下した貸出債権を、預金保険機構に簿価で売却できる「瑕疵担保条約」を結んでおり、この契約を利用した買い取り額は昨年9月末までで8,530億円に達した。同契約の申し込み期限は終わっているが、申請済みの案件の買い取りは、まだ増える見通しである。その結果、合計5兆円規模の国民負担が発生することになる。

 一方、政府は、98年3月と2000年4月に計3,700億円の優先株を取得したが、政府は普通株に転換した上で市場で売却し、5,000億円超の資金を回収したい考えである。


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(2)足利銀行の次は?−地銀淘汰・再編(2/10) ***

 昨年11月末、地銀大手の足利銀行が破綻し、市場では足銀の次を探す動きが活発化している。東京株式市場では、足銀の破綻直後、経営不安定とされる地銀株が軒並み売られた。今年は、地銀の再編・淘汰の嵐が吹き荒れるのは間違いがない。ペイオフの全面解禁を来年4月に控え、危ない銀行を処理しなくてはならないという事情があるからである。破綻する可能性がある銀行を残したまま、ペイオフを全面解禁したら、ちょっとしたうわさだけで取り付け騒ぎが起き、それが金融危機に発展しないとも限らないのである 再編・淘汰のタイムリミットは、来年3月末である。しかし、実際は、銀行の決算期ごとに公的資金の注入などの対応を取るため、危ない銀行は、平成16年3月期決算を発表する5月か、同9月中間決算を発表する11月に処理することになる。今年は参院選があるため、マイナスイメージを避けるため9月中間決算のときの可能性が強い。合併を予定している銀行は、合併時に公的資金注入の措置が取られるであろう。

 市場が不安視する銀行は、健全性の目安である自己資本比率が低く、将来の税金還付を見込んで計上する繰り延べ税金資産の割合が大きい地銀と見られる。以下は、両指標のワースト3の地銀である。

[自己資本比率ワースト3]

1.福岡シティ銀行 5.42%

2.東和銀行  5.84%

3.広島総合銀行 5.96%

[中核的自己資本に占める繰り延べ税金資産の割合ワースト3]

1.びわこ銀行  76.9%

2.広島総合銀行 66.0%

3.福岡シティ銀行 59.2%

  (自己資本比率については、「重要30用語」参照)


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(3)03年経常収支黒字11%増、過去最大に(2/13) ***

 財務省の2003年の国際収支速報によると、経常収支黒字は、前年比11.6%増の15兆7,853億円と過去最大を記録した。2年連続の黒字幅の拡大である。世界的な景気拡大で輸出が伸び貿易黒字が増加した一方、イラク戦争や新型肺炎(SARS)により海外旅行が低迷したことによる。

 貿易黒字は、4.4%増の12兆5,551億円、サービス収支は、3兆8,890億円の赤字で、赤字額は前年より1兆3,753億円の減少となり、所得収支は、8兆2,858億円となった。

国際収支については、「重要30用語」参照)


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[知って得する用語―純利益]

 正確には、当期純利益といい、企業の最終的な利益を表す。本業のもうけを示す営業利益から、販売管理費などを引いたのが経常利益である。これから土地の売却などで一時的に発生する利益や損失などの特別利益を加減し、法人税をさらに差し引いたものである。

 トヨタ自動車の今年3月期の純利益は、1兆円を超えた。


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