2月第3週(2/15〜2/21)*印が多いほど頻出(最高3つの*)


[日本経済]

(1)昨年10〜12月期GDP7%成長、デフレ脱却微妙(2/19) ***

  昨年10〜12月期の実質GDP成長率は、前期比で年率7.0%増と13年半ぶりの高成長となり、景気回復力の強さを示したといえる。中国の旺盛な需要という追い風も受けた。実感に近いとされる名目GDPも、前期比2.6%増で、3期連続のプラス成長を記録した。しかし、総合的な物価変動を示すGDPデフレーターは、前年同期比で2.6%下落し23期連続のマイナス成長となっている。 輸出や企業設備投資が大きく伸び、デジタル家電など一部に需要はあるが、基調としては需要不足であり、企業収益の改善が所得や雇用などにも波及し、個人消費が本格的に回復するかどうかが、デフレ脱却の時期を左右するカギとなる。

2003年10〜12月期の国内総支出(実質)の前期比伸び率(年率換算)]

国内総支出(GDP) 7.0%

民間最終消費支出 0.8%
民間住宅投資 −1.0%
民間企業設備投資 5.1%
在庫品増加 0.0%
政府最終消費支出 0.5%
公的固定資本形成 −0.2%
財貨・サービスの純輸出 12.1%


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(2)自由貿易協定(FTA)担当16倍に、二国間重視鮮明に(2/16) ***

 経済産業省は、FTA推進室の担当を現行の5人から80人へと増員する方針を明らかにした。メキシコを始め、韓国やフィリピン等とのFTA交渉が、今後本格化することから、陣容を強化する。今回の大幅増員は、WTO新ラウンドの進展に向けた展望が開けないことから、経産省は通商政策を軌道修正し、FTAとWTOの二本柱で取り組む姿勢を内外に示すことになる。

 FTAは、二国間・地域間での通商制限措置を原則撤廃する国際的な取り決めである。多国間交渉のWTOが行き詰まる中、個別に二国間協定などを結んで貿易の拡大を目指す動きが活発化している。

 新ラウンドやFTA交渉で最大の課題となっている農業分野の自由化では、自由化推進の経産省とこれに慎重な農水省や自民党農林族が激しく対立している。そのため、経産省が、この体制強化により、どれだけ利害調整に手腕を発揮できるかが、焦点となる。

FTAWTOについては、「重要30用語」参照)


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[日本経済]

(1)株式会社立大学、新分野を切り開くか(2/15) **

 大学は、学術の中心として権威ある存在であるので、運営には安定性と継続性が求められ、その設立には国、地方自治体、学校法人に限られていた。そのため、資格取得や就職に結びつく実践的な教育は、大学の役割ではないともされがちであった。しかし、そのような大学観が大きく揺らいでいる。

 文部科学省が、資格取得の受験予備校、IT関連マルチメディアスクールを経営している教育関連企業2社に、大学、専門職大学院の設置を認可する。経営している予備校などの施設をそのまま使い、教員も兼任とするなど、大学開設のコストを切り詰めている。教育内容は、司法書士、弁理士などの資格取得やデジタル分野のプロデユーサー養成などに特化したもので、実利的、実践的色彩が濃い。

 地域限定の構造改革特区制度を利用し、千代田区と大阪市が認可申請していた。学歴は大学で、資格取得は予備校で得ようとするダブルスクール族の若者を引き付けることができる。単位互換で、他の大学の学生への単位授与も可能である。アメリカでは、株式会社立の大学が、伝統的な大学に進学できなかった若者や、再就職を目指す離職者、高度な技術を取得しようとする勤労者などのための「もう一つの大学」として定着している。

 しかし、営利事業としての大学の危険性も指摘されている。利益が上がらないからといって、閉鎖することがあれば、学生は行き場を失う。特区申請した自治体のチェックが欠かせない。

 既存の大学も、大学の権威に安住することなく、教育内容が時代のニーズに合っているのか、見直すことが必要である。2社の参入が認められた背景には、既存の大学に対する社会的な不満もあることを見落としてはならない。


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