6月第4週(6/13〜6/19)*印が多いほど頻出(最高3つの*)


[日本経済]

(1)国の借金700兆円突破(6/26) ***

 財務省は、国債や借入金などの国の借金(債務)残高が、2003年度末で700兆円を突破し、703兆1,478億円と過去最高を更新したと発表した。国債残高の増加が続いている上、円売り介入の資金の調達のための政府短期証券(FB)の残高が急増したのが要因である。国の借金は、2年にほぼ100兆円ずつ増加しており、2003年度末で国民一人当たり約550兆円にまで膨張している。

 内訳は、普通国債残高が、前年度末より10.3%増の556兆4,163億円となり、借金の8割を占めた。FB残高は、86兆1,259億円となり、前年度末より49.8%も増えた。借入金は、43.4%減の60兆6,057億円であった。昨年4月の日本郵政公社発足により、関連特別会計の借入金が外れたため減少した。


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[世界経済]

(1)EU憲法採択(6/20) ***

 欧州連合(EU)首脳会議が、新基本条約となるEU憲法を採択した。欧州統合の基礎である諸条約を一本にまとめることで、拡大EUを効率的に運営する必要があった。  EUの発言力強化を目指すとともに、憲法には様々な機構改革が盛り込まれた。最高意思決定機関のEU首脳会議に常任議長を新設し、大統領とする。また、共通外交・安保政策を担うEU外相ポストを設けた。

 意思決定の停滞を避けるため、二重多数決方式を導入した。加盟国数の55%以上が賛成し、かつ賛成国の人口の和がEU総人口の65%以上になった場合に、決定できる仕組みになる。新方式は、外交、国防、税制など一部を除いた広範な分野に適用される。各国の拒否権行使を限定し、政策決定の円滑化を促そうというものである。

 憲法の発効には、全加盟国が批准する必要がある。最大の難関はイギリスである。国民の多数がEU憲法に否定的な姿勢を示しているのに、ブレア首相は、批准のために国民投票を実施することを決めている。

 加盟各国の指導者は、国民が抱く不信感を取り除くことを真剣に考えざるを得ない時期を迎えている。有効な手を打てなければ、反欧州の機運は、イギリスなど一部の国の問題ではなくなる。

EUについては、「重要30用語」参照)


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(2)アメリカ、0.25%利上げ見通し(6/26) ***

 アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)が、29〜30日開く連邦公開市場委員会(FOMC)で、代表的な短期金利であるフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標を現行の年1%から0.25%引上げ、年1.25%とする見通しとなった。FRBの利上げは、4年ぶりで、背景には、アメリカ経済の順調な成長振りや原油高を背景としたインフレ懸念の高まりがある。FRBは、慎重に段階的な利上げを進める考えで、歴史的な金融緩和から、どう軟着陸を果たすか注目される。市場では、今年末にはFF金利が2%前後になるとの見方が多い。


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[エネルギー政策]

(1)使用済み核燃料、埋設費用15兆円(6/21) **

 電力大手10社でつくる電気事業連合会は、原子力所発電所の使用済み核燃料を再使用せず、地中に埋める直接埋設処分に15兆円以上かかるとし、再利用した場合の費用とほぼ同じであるとした。膨大な費用が批判されている、核燃料サイクル政策を見直す国の原子力委員会に試算を提出し、再利用推進を訴える。

 試算によると、直接埋設の施設建設などの費用が今後40年間で計15兆円以上である。さらに、核燃料再処理工場が不要になるため、工場解体費や電力各社が負担した工場建設費の国への請求などで3兆円程度の負担が生じ、全体で18兆円以上としている。

 現行の核燃料サイクル政策について、40年間に18兆8千億円の費用がかかるとの試算が昨年11月に判明し、計画見直しの声が高まっていた。


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