9月第5週(9/26〜10/2)印が多いほど頻出(最高3つの*)


[日本経済]

(1)昨年のODA地域別比率、アジア7ポイント低下(9/27) **

 2003年の日本の政府開発援助(ODA)のうち、中国を除くアジア向けの比率が、41.1%と7%低下した(中国向けの比率は、12.3%と、前年度並であった)。一方、西アジアを含む中東向けは、アフガニスタン支援が増加し、倍増の7%となった。イラクの復興支援も加わり、中東向けの比率は、さらに上昇する見通しである。

 日本のODA予算は、年々減少している。ピーク時の1997年度には1兆1、680億円であったが、2003年度は8,570億円であり、2004年度は、さらに4.8%減少し、8,160億円となる。 政府は、イラク復興に向け、2004年に、ODA予算を原資に15億ドルの資金支援を実施する計画である。その結果、アジアの貧困国向けの支援にしわ寄せがきかねないとの見方も出ている。

ODAについては、「重要30用語」参照)


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(2)日銀9月短観―回復持続どこまで(10/2) ***

 日銀が発表した9月の企業短期経済観測調査(9月短観)は、大企業・製造業の業況判断指数(DI)が6期連続で改善したほか、回復が遅れていた中小企業も改善が進むなど、景気回復のすそ野が広がり続けていることを示している。ただ、改善幅は、6月短観に比べ縮小しており、回復ペースは縮小した。原油価格の高止まりや、回復をけん引してきた輸出の失速懸念など、先行きの不安要因があり、今後どこまで回復基調を維持できるかが焦点となる。

 9月改善のキーワードは、猛暑とオリンピック効果である。第一生命経済研究所は、個人消費の拡大を中心に、猛暑による実質GDPの押し上げ効果は約7,100億円、オリンピック効果は約1,000億円と試算しており、堅調な個人消費が景気を下支えしたと分析する。

 また、景気回復が、製造業から非製造業へと、そして、外需から内需へと着実に広がっている。   

 一方、3ヶ月先までの先行き見通しは、悪化した。これは、原油価格の高止まりなどを背景としたアメリカや中国など海外経済の減速懸念などがある。海外経済の減速で、これまで日本の景気回復をけん引してきた輸出が失速すれば、外需依存の回復構図は崩れかねない。

[9月短観の主な指標]
<業況判断DI> 6月 9月 先行き
大企業・製造業 22 26 21
大企業・非製造業 11 10
中小企業・製造業
中小企業・非製造業 −18 −17 −16

日銀短観については、「重要30用語」参照)


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[世界経済]

(1)ギリシャ、赤字隠す?(9/28) ***

 単一通貨ユーロに参加しているギリシャが、2000年から3年連続で、財政赤字を対GDP比3%以内に抑制することを定めた財政安定化・成長協定に違反していたことが発覚し、EUの欧州委員会が調査に乗り出した。

 ギリシャは、問題の3年間の財政赤字の比率を、最高でも2.0%と報告していたが、実際には4.1〜3.7%であった。2003年も4.6%に膨れ上がる見通しである。

 発覚したのは、今春の総選挙で政権を奪還した保守系政権が、過去の財務実績を洗い直し、上方修正したためである。


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(2)フランス、違反是正のため来年度予算緊縮へ(9/28) ***

 フランス政府が、2005年度予算で財政赤字の大幅削減に乗り出した。3年間続いたEUの財政安定化・成長協定への違反状況を是正する。

 25日に閣議決定された2005年度予算によると、財政赤字の対GDP比を来年度2.9%に縮小する方針を示した。実現すれば、4年ぶりに協定順守となるが、協定違反に対するEU内の反発を解消することにある。

 フランスは、3年連続で対GDP比3%を突破し、ドイツとともに景気対策のために協定違反を続ける「大国のエゴ」を批判する声が強い。これにより、フランス国内では、EU内での影響力低下に対する危機感が強まっていた。今秋、発足する欧州委員会で得たポストも、主要ポストではなかった。

 協定は、ユーロの信用性を守るものであり、EUの第2の大国であるフランスは、協定を順守する姿勢を見せることで、主導権の維持を図りたい意向である。


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[環境問題]

(1)京都議定書、ロシア批准承認(10/1) ***

  地球温暖化防止のための京都議定書は、ロシア政府の批准承認でやっと発行のメドが立った。同議定書署名から5年が経ち、ロシアが批准したのは、温暖化ビジネスへの期待、WTO(世界貿易機関)への早期加盟、そして、対外イメージの悪化の回避という3つの狙いがある。   京都議定書は、ロシアにとり損な条約ではない。課された義務は、2008〜2012年にCO2などの排出量を1990年水準に抑えればよいというものである。さらに、旧ソ連崩壊後の経済の落ち込みで、CO2排出量は大幅に減少した。現在も、90年水準の75〜80%水準に過ぎない。それゆえ、削減どころか、余裕のある分を売ることも出来る。つまり、排出量取引である。   また、ロシアが、批准カードを最大限生かそうとしたのは、WTO加盟交渉であった。  先進国経済への仲間入りと対露投資の活発化が期待できるWTO加盟は、プーチン政権の悲願の1つである。ロシアは、批准を強く迫るEUに、見返りとして加盟交渉での譲歩を求めた。交渉は今年に入り大きく前進し、最近は韓国や中国との交渉もほぼ終わり、「批准」カードは、一定の役割を果たした。   そして、最近、独裁色を強めるロシアへの国際社会の風当たりは強く、特に、最も批判を強めているのが、EUである。EUとの関係をこれ以上緊張させたくないという計算も、批准につながったと思われる。

WTO京都議定書については、「重要30用語」参照)


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