Q10 | 協会は日中友好運動の展望と、これからの活動の重点についてどう考えているのでしょうか。 |
21世紀はアジアの時代あるいは中国の時代になるとも言われています。日本の隣国の中国が、他のアジア諸国と共に、多くの矛盾や困難とたたかいながら発展を続け、世界の政治・経済の焦点のひとつとして脚光をあびていることは確かです。アジアの中で人きな比重を占める中国との関係をどのような方向に発展させてゆくかは、日本の未来にかかわる重要な問題でもあります。21世紀の日中関係が両国のみならず世界平和に貢献して行くものになることこそが強く求められています。
しかし現実には、日本政府は、日米安保条約によってアメリカと連携しながら大企業の大規模な海外経済進出を進めて「国益」をはかるとともに、米軍と―体になってアジアと世界を視野に入れた軍備拡張をおこなっています。そして過去の侵略戦争の国家責任を認めず、しばしば侵略戦争美化発言さえくりかえしています。これでは中国をはじめとするアジア諸国民の日本に対する不安や不信ないし憎悪を拡大させるばかりです。
「平和と民主主義の精神に基づいた真の日中友好を!」 日中友好協会第45回大会全体会議(1996年・箱根・湯元ホテル) |
一方中国政府も、今ではかつての世界の民主的世論や民衆の切実な要求に依拠してたたかった伝統を忘れ、中国国民の民主的話権利を抑圧し、もっぱら強権政治による富国強兵政策に走り、日本の政財界との対応に目をうばわれています。そして協会をはじめ日本の民主団体に加えたかつての不当な干渉問題の解決や関係改善には全く誠意も関心も示さず、「実利」優先の外交に終始しているのが現状です。
日中両国政府のこのような政策からは両国民の願う平和と民主主義の立場に立つ日中友好の展望は期待できません。日中友好運動の展望は、両国国民の切実な要求に依拠した活動によって切り開いてゆくものだと考えます。協会はこの立場から次の三つの活動課題に取り組んでいます。
第1は、21世紀を真の平和な時代にするために日本がアメリカと組んで中国やアジア諸国に脅威を与えるよぅな事態の再現を許さないこと、また中国の軍事力優先の政策などアジアの平和と矛盾する動きを黙視しないことなど日本と世界の平和を守り発展させることと結んで日中友好を進めるという課題です。
第2は、この立場から日本における民主主義抑圧、人権侵害に反対するとともに日本の自主的な運動に対して行われた干渉問題の正しい解決を要求し、中国国内の民主化運動抑圧や、人権を踏みにじる行為にも厳しい態度をとっていくことなど民主主義・人権擁護と結合して日中友好を進めるといぅ課題です。
第3は、中国の文化,政治・経済・歴史などへの幅広い関心に応えるとともに中国、日中問題と国民生活との関連にも目を向けた活動を重視して日中友好を進めるといぅ課題です。
このような活動をしている協会の活動に多くの方が参加され(る)ことを強く願っています。