は じ め に
日本が中国にたいする侵略戦争を全面的に拡大した盧溝橋事件(1937年)から60年の歳月が流れました。
日中友好協会は、この侵略戦争の反省に立ち、平和と民主主義にもとづいた日中両国民間の 真の友好関係をめざして結成され、今日まで活動してきました。この間、朝鮮戦争や日本政府の中国敵視政策あるいは日本の再軍備や軍国主義的潮流の強まり、そして中国の「文化大革命」(以下「文革」)など日中友好関係に大きな障害をもたらすような事態もしばしばおきました。 そのたびに協会は日本国民の立場から困難を克服し、「真の日中友好とは何か」を探求しつつ運動を発展させてきました。
内外の世論の力によって日中両国の国交が回復し今年はその25周年にあたります。現在では日中間の諸交流も活発に行われています。同時に、国民間の平和と民主主義の立場に立つ友好連帯の問題や「文革」と干渉問題の克服の課題は、いまもなお未解決のまま残っており日中両国民の友好関係と両国関係の発展にとって否定的な影をおとしています。
昨年(1996年)は、「文革」と「中国の大国主義的干渉問題」が起ってから30年、そして今年(1997年)はその頂点ともいうべき「日本中国友好協会本部襲撃事件」(善隣学生会館事件)の30年にあたります。これを機会に、協会がこれまで進めてきた日本国民の自主的な日中友好運動の理念と諸活動の概略を広く知っていただき、同時に今もなお大きな障害となっている「中国の大国主義的干渉」の本質とその克服の道を解明するために、パンフレット「『文化大革命』および干渉問題と日中友好運動 Questions and Answers」を作りました。多くの方々が御購読下さるとともに学習教材としても広く活用されることを願ってやみません。
1997年4月
日本中国友好協会
会長 山口正之