Q1 | 日本中国友好協会は何をめざして結成されたのでしようか。 |
1949年10月1日に中華人民共和国が成立しました。それまでの中国は欧州諸国や日本により、植民地や半植民地とされていました。中国人民は外国の支配をはねのけ、国民が(主人公の新しい国をつくったのです。その成立は、中国国民はもとより、平和を望む世界の多くの人々に大きな歓迎をうけました。
中華人民共和国が建国される前から日本国民の自主的な友好協会をつくる準備がすすめられ、1949年10月10日に設立準備会が発足し、約1年間の準備活動ののち1950年10月10日に日本中国友好協公が結成されました。結成された背景は大きくいって2つありました。1つは、1945年に日本が戦争に敗北し、国民は反戦平和を強く願っていたことです。とくに中国侵略戦争への反省から中国との友好と平和の関係を確立したいという機運が強かったのです。
1953年 日中友好協会第3回大会 太田薫総評議長(当時)のあいさつ |
もう1つは、日中両国間には2千年来の政治、経済、文化、人的な往来の長い歴史と伝統があり、日本人の中国への親近感は他国より―層強いものがあったからです。こうして発足した協会ですがその歩みは決して平坦なものではありませんでした。1950午3月に東京数寄屋橋の街頭で新中国を紹介する写真展を行っていたときアメリカ占領軍の兵士に妨害され写真を破壊されました。また結成1ヵ月後の11月には中国の「人民日報」や資料などを大学や図書館に配布したことがアメリカの占領政策違反である、として当時の協会役員が逮捕され軍事裁判で重労働5年の実刑をうけるなどの弾圧をうけました。しかし協会は戦前、戦時中に激しい弾圧を受けながらも中国侵略戦争に反対して反戦平和運動を闘い抜いた先進な人々の輝かしい伝統を受け継ぎ、これらの妨害や弾圧に屈することなく活動をすすめてきました。
協会の結成趣旨のなかで、「われわれはつぎにかかげる綱領の下に全力をあげて本協会の目的の達成に努カすることを誓う」と述べています。すなわち、
(1)日本国民の誤った中国観をふかく反省し、この是正に努力する。
(2)日中両国民の相互理解と協力を打ち立てるため両国文化の交流に努カする。
(3)日中両国の経済建設と人民生活の向上に資するため中日貿易の促進に努力する。
(4)日中両国人民の友好提携により、相互の安全と平和を はかり、もって世界の平和に貢献する。
ということです。さらに「活動方針」の原則では「我々の友好運動は国家や政府に依存しない自発的な国民運動としてすすめられている」そして「我々が友好の対象とする中国は、広範な中国人民大衆であって、特定の政党政派に限られるものではない」と明確にのべ、この基礎のうえに運動をすすめています。