6月第3週(6/15〜6/21)*印が多いほど頻出(最高3つの*)


[日本経済]

(1) 景気一部弱い動きー6月月例報告(6/18) ***

 竹中経済・財政金融相は、17日月例経済報告を関係閣僚会議に提出した。それによると、景気の基調判断は、「景気は、おおむね横ばいであるが、一部に弱い動きが見られる」と判断を5ヶ月ぶりに下方修正した。輸出の減少と設備投資の低迷が、主な要因である。各指標の判断は、次のとおりである。

設備投資・・・持ち直しの動きが緩やかになっている。

生産・・・輸出の減少により、弱含み。

雇用・・・完全失業率が5.4%(4月)と、依然厳しい。

消費・・・おおむね横ばい

 先行きについては、アメリカ経済や新型肺炎の影響によるアジア経済の不透明感を懸念材料に挙げた。


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[競争政策]

(1) 自由化で地域独占の壁を崩せ(6/15) **

 地域独占の壁に守られてきた電力と都市ガス会社に、本格的な競争の波が押し寄せている。現在、電機の自由化範囲は、大口のみで全電力販売量の26%に留まっている。しかし、来年4月には、中規模の工場や店舗に広がり、全販売量の40%に増え、その一年後に63%にまで拡大する。都市ガスも同様に二段階で自由化の範囲が拡大され、4年後に全販売量の50%が競争市場に移行する。

 競争状況が保たれるように、電力では、中立機関を設け、既存事業者が送電網の使用料や使用条件で身内を優遇しないように、監視する措置を盛り込んだ。また、余剰電力を全国的に売買する「卸電力取引所」も創設される。これまでの自由化で、電力・ガス料金は、着実に値下がりした。両産業とも、一般産業に比べれば企業体質はまだ甘いが、競争促進のメリットは大きいものとなっている。


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[環境問題]

(1) 見えぬ京都議定書発効(6/16) **

 日本が地球温暖化を防ぐ京都議定書を批准してから一年が過ぎた。しかし、各国の足並みが揃わず、いまだ議定書は発効していない。カギを握るといわれたロシアは、批准への動きが停滞し、アメリカや途上国の参加も進展しないままである。

 1997年の京都議定書が発効する条件は、次のとおりである。

一、 55カ国以上が批准

二、 批准した先進国の90年の温室効果ガス排出量が先進国全体の55%以上

 この二条件を満たせば、90日後に発効する。これまで、110カ国が批准し、一の条件はクリアしている。最大の排出国のアメリカが離脱しているが、批准先進国の排出量は43.9%となっており、17%を占めるロシアが批准すれば二の条件も満たす。議定書の生みの親である日本は、ロシアなどに積極的に批准を働きかける必要がある。

 今後もこのまま推移すると、アメリカを含め先進国全体で2010年には、90年比で排出量が10%増加すると見られる。しかし、各国が、今後追加的措置を講じれば、2010年にはかなり削減が見込めるため、強力な政策手段が必要である。

週刊トピック「経済事情―重要30用語」参照)


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[知って得する数字―設備投資伸び率]

2000年度  8.6%

2001年度 −6.2%
2002年度
 4〜6月期   −15.5%
 7〜9月期   −13.9%
 10〜12月期  −1.8%
 1〜3月期    −3.0%
   (法人企業統計・前年比)
 寸評:2001年度から、マイナスの伸びが続いている。マイナスの伸びは底を打ちつつあるが、先行き不透明である。

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